墓地には、公営と民営があります。
わが国のお墓を経営主体別に分類すると次のようになります。
公営墓地とは…
各都道府県市町村などの自治体が管理・運営する墓地で、ほとんどが大型霊園です。
自治体によっては設置されていない所もあります。
民営墓地とは…
宗教法人や、公益法人などが管理・運営する墓地で、以下の5つに分類できます。
[1]個人墓地(個人所有地内墓地)
自分の屋敷内や所有地につくった墓地です、現在は墓埋法により勝手に墓地をつくる事はできません。
[2]村落有墓地(共同墓地)
地域住民が共同で利用する自然発生的にできた墓地で、使用者の募集はありません。
[3]宗教法人経営墓地
寺院墓地(境内墓地)
宗教法人である寺院が檀家のために寺院の境内(敷地内)に設けた墓地です。
墓地の価格は寺の格式、伝統、場所により違います。
宗教法人営墓地
「宗旨・宗派不問」と広く使用者を募集している霊園で、民営霊園の約90%を占めています。
[4]公益法人経営墓地
財団法人、社団法人が管理・運営する霊園で、昭和40年ごろレクリエーションを兼ねて墓参ができる公園墓地として富士山麓に第1号ができ、初めて寿陵墓がPRされました。公営墓地と同様、人気があります。
※寿陵墓とはご生前に建墓することです。
[5]営利法人経営墓地
株式会社など営利法人が管理・運営する墓地です。昭和40年代に開発が始まった墓地で現在9法人ありますが、厚生労働省通知により現在では許可されません。
公営霊園の人気の秘密
公営霊園は都道府県や市町村などの地方自治体が管理・運営を行っている霊園の総称ですが、他の経営主体の物と比べ以下のような特長があります。
- 理主体が地方自治体なので、霊園に最も必要な永続性が将来にわたって保証されます。
- 管理・運営が計画的・組織的に行われます。霊園は通常完売すると管理料のみで運営しなくてはなりません。ところが実際のところ水準以上の管理をするためには収入以上の費用が必要となります。その点公営霊園では、予算ワクの中で組織的な管理をしているので、いつまでも万全な管理が期待できる訳です。
- 霊園計画にあたっては、都市公園の要素を含んで総合的な考えが導入されています。したがって、開発全体面積に対し墓地比率は少なく本当の意味の公園墓地を具現化している所が多いようです。
- 公共機関は宗教には一切関与しません。したがって将来にわたり宗教的な制約も受ける事がありません。
- その他永代使用料・管理料も一般的に安くおさえられていて人気の要因です。
- ご遺骨の有無を初め、その地区内での居住年数など、申し込みの際の資格条件がかなり厳しく、また霊園の数も少ない事から、募集があっても競争率の高い抽選形式になっている所が多く、希望した時に確実に入手するのは厳しいようです。
※ちなみに東京都立霊園は再使用墓地を主体に公募しています。
公園墓地・寺墓地の違い
公園墓地の場合
宗旨・宗派 | 全く問いません |
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継承者 | 6親等迄継承できますので、お子様のいらっしゃらない方、お嬢様だけの方にも安心です |
継承者の負担 | 軽い |
ご寄付 | 全くありません |
お付き合い | ありません |
法事の対応 | 管理事務所で各宗派のご住職を紹介 ※又はお連れになっても良い |
法事の費用 | 明確になっています 例:墓前一法要 3万円位 各宗派の僧侶による30分程度の読経 |
年間管理費 | 1平米あたり6,000円位 |
各宗派の寺墓地の場合
宗旨・宗派 | 必ず檀家になる事が条件 ※宗旨・宗派を問わないといいますが入檀後の法事等はそのお寺の宗派により執り行います |
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継承者 | 一般的⇒直系の長男のみ継承 女性の方⇒出来ない場合もあります |
継承者の負担 | 必ずお付き合いがあるので経済的負担が重い |
ご寄付 | 必ずあります。 本堂の改修工事等の際は数万円から上限無し |
お付き合い | 年4~5回のお付き合い 1回につき5,000円位~上限無し |
法事の対応 | 必ずそのお寺のご住職が執り行う。そのお寺さんの宗派でのみ執り行う |
法事の費用 | 一般的に不明確「お気持ち」・檀家さんの格・お位牌、戒名の位で異なる場合もあります |
年間管理費 | 12,000円程度から |
最近、お寺墓地の寄付金・お布施等トラブルによりせっかく購入したお墓を手放し、精神的・経済的負担の比較的軽い公園墓地へ移られる方が多く見受けられます。
お寺墓地は最初の購入負担は公園墓地に比べて少ないのですが、購入後の負担が著しく大きすぎる為にこのような現象が起きています。
親・子・孫・曾孫へと代々続いていく大切なお墓をお求めになる時は、総合的な判断をなさった方が良いかと思います。
一人っ子やお嬢様だけの方でも「両家墓」などになさる方が多くなり、墓地選びのポイントはまず見る事からはじまります。
是非ご自分の目でご覧になってはいかがでしょうか。
墓所使用権の継承範囲
手続きをすれば埋葬料がもらえる!
健康保険の被保険者が死亡した場合、埋葬を行う人に対して市町村から埋葬料が支給されます。
本人が死亡の場合には「埋葬料」が、扶養者が死亡の場合には「家族埋葬料」が、それぞれ支払われます。
故人が亡くなった日から2年以内に手続きをしないと支払われないので注意が必要です。
社会保険の加入者が死亡した場合、5万円を埋葬料としてもらう事ができます。
本人が死亡の場合には「埋葬料」が、家族が死亡の場合には「家族埋葬料」が、それぞれ支払われます。
勤務先で手続きをしてもらえない場合には、所轄の社会保険事務局で手続きを行います。
手続きに必要な書類は健康保険書、埋葬許可証か死亡診断書のコピー、印鑑、振込先の口座番号。
国民健康保険に加入していた本人か扶養家族が死亡した時は、3万円~7万円を「葬祭費」としてもらう事ができます。
手続き先は役所の国民健康保険課ですが、すでに役所の戸籍課に死亡届が出ている事が前提条件です。
手続きに必要な書類等は保険証か年金手帳、印鑑、振込先口座番号。
また、業務上もしくは通勤途上の傷病で死亡の場合は労災保険から「葬祭料」が支給されます。
給付金額は、315,000円+給付基礎日額の30日分または給付基礎日額の60日分の多い方となります。申請先は所轄の労働基準監督局です。
埋葬料を受け取る人がいないような場合、例えば一人住まいで、遠隔地に住む親戚が葬儀を行ったような場合には、その親戚が埋葬料の範囲内で受け取ることができます。
※その他ご不明な点は当社又は専門部所にお尋ね下さい。