お墓のQ&A

「お墓を買う」ってどんなこと?

使用権を買うことです。

墓地も不動産も「買う」といいます。言葉は同じでも内容は全然違います。
不動産を買うというのは「所有権を得る」ことですが、墓地を買うというのは「使用権を得る」ことなのです。
不動産を買って所有権を得れば、売ることも貸すことも何に使うこともできます。

これに対し、墓地は買って使用権を得ても、売ることも、貸すことも、墓地以外の目的に使うことは出来ません。
墓地の使用権は永代で、代々にわたり受け継ぐことはできますが、都合で管理者に戻す場合には石塔等を取り除いて元どおり(原状又は更地の状態)にしなければなりません。

継承者のいない場合は?

身寄りの無い人や、子供のいない夫婦など、継承者のいない人たちは生前に墓地を買い求め、心の安らぎを得ようとしても無縁化の問題から墓地を売ってもらえない事が多いものです。
これらの問題を解決する方法の一つとして永代供養墓があります。

お墓は相続財産ではありません。

お墓は祭祀財産といって相続人全員が分けて相続する相続財産と異なり、祭祀を行う特定の1人だけが受け継ぎます。
お墓は相続しても相続税はかかりません。墓地を買っても取得税、消費税など税金は一切かかりません。
ただし他人に譲渡することは出来ません。

父が10年前に宗派は問わないと説明されて墓地を購入しました。その父が亡くなり埋葬をしようとしたら寺から「宗派が違うから埋葬できない、戒名も変えるように」と言われました。どうしたら良いでしょう?

お墓には何かと宗教的な儀式がつきものです。
宗教にこだわりを持つ人も、持たない人も共に宗教については十分に納得しておく事が何より大切な事です。
民営霊園の90%以上は宗教法人が経営主体となっていますが、宗教については必ずしも同じ対応ではありません。

チラシでよく目にするのが「宗旨宗派不問」「宗派不問」という言葉です。
辞典によると宗旨とは「仏教用語で宗門の中心になっている教義のこと」。
宗派とは、「同一宗教で儀式の違いなどから生じた分派のこと」と定義されています。
霊園の広告に関していえば「宗旨・宗派不問」はどんな宗教であってもかまわないもの、「宗派不問」とは仏教系の宗教であれば何宗であってもかまわないものと理解すれば良い様です。
「宗教に関して最も注意しておかなければならないのは“購入後にどうなるのか”という事です。」購入後の制約については次の三つのタイプについて説明します。

紛らわしい表現が多いので使用規約を読み、不明な点があったら納得がいくまで確かめる事が大切です。

購入後の制約

お墓の法律はあるんでしょうか?

お墓に関する主な法律は、「墓地埋葬等に関する法律」(墓埋法)・刑法・民法の3法です。

墓埋法

墓埋法はお墓に関する基本的な法律で、土葬・火葬を想定し、昭和23年に制定されました。
主に公衆衛生その他公共の福祉の観点から、墓地・納骨堂または火葬場の管理運営などについて規定しています。
この法律では…

  • 埋葬や火葬は死亡(死産)後24時間後でなければならない(第3条)
  • 埋葬や焼骨の埋蔵は、墓地以外の場所に行ってはならない(第4条)
  • 埋葬、火葬、改葬は市町村長の許可を受けなければならない(第5条)

などが決められています。
ご遺骨はどこかに大切に保管することは許されますが、墓地以外のところに埋めることは出来ません。

埋葬死体(妊娠4ヶ月以上の胎児を含む)を土中に葬ること
収蔵焼骨を納骨堂に納めること
埋蔵焼骨を墳墓に納めること
墳墓死体を埋葬、焼骨を埋蔵する施設
改葬埋葬した死体、収蔵・埋蔵した焼骨を他の墳墓や納骨堂に移す事
納骨堂他人に委託を受け焼骨を収蔵するために納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう

田舎のお墓を整理して、住まいの近くに移したいのですが手続きの方法を教えて下さい。

永代使用承諾書を返還し、墓石、外柵を取り除き原状に戻さなければなりません。
霊園によって違う場合がありますので、管理事務所によく相談してください。改葬の手続きもしなければなりません。

改葬はお墓の引越し

改葬はすでにお墓に納めてある御遺体や御遺骨を別のお墓に移すこと。
いわゆるお墓の引越しで市区町村長の許可が必要です。

  • お墓が遠いので近くに移す
  • 単独墓を合葬墓にまとめる

などのケースが考えられます。
お墓の移転を考えたらお寺や墓地の管理者に事情を話し、承諾を得る事が大切です。
特に檀家の方は十分にご住職に理解を求める事が重要です。

改葬手続き

まず第一に新しい墓地の確保をします。
新しく入る墓の管理者
[1] 受入れ証明書(墓地使用許可証原本持参で可)を発行してもらう。
旧墓の管理者
[2] 埋葬(埋蔵)証明書を発行してもらう。
旧墓のある市区町村に[1][2]と改葬許可申請書を提出
改葬日取り決定
(土葬骨の場合は必ず焼骨にし、火葬証明書をもらう。)
改葬、改葬許可証提出

※市区町村によっては手続きの一部を簡素化している所もあります。